ICT活用
 建設業界では、複雑な社会環境問題への対応のために、膨大な情報を処理・活用することが求められることから、ICT(情報通信技術)の活用が必須となっています。当社技術情報部では、ICT活用環境の整備、先行的な技術検証・技術開発、各種講習会・体験会の開催、業務活用支援を行い、ICTに関する技術の普及と技術者育成を行っています。

GISプラットフォームによる業務効率化の推進

GISプラットフォーム(DoconGIS)
※1 Esri, HERE, Garmin, FAO, USGS
※2 3D都市モデル(Project PLATEAU)、地理院タイル(写真)

建設コンサルタント業務では、多くの地理空間情報に基づき、社会基盤整備における調査・計画・設計を行っており、GISやBIM/CIM対応ツールを用いて、分野横断的なソリューションを提案しています。そこで当社では、様々な位置情報を有するデータの社内共有基盤としてGISプラットフォーム「DoconGIS」を構築し、各種インフラモデルの作成・共有・管理・解析のほか、国土交通省をはじめとするオープンデータのGISプラットフォーム上での共有・活用にも取り組んでいます。

3次元データ活用等の先行的技術検証

VRソフトウェアによる橋梁の照明シミュレーション
※1 Bing Maps(地形、航空写真)利用

近年のBIM/CIM活用業務では、現況モデル作成の際にドローンやレーザースキャナ等で取得した点群データを活用する機会が増えており、これら3次元データを生成・活用する技術(VR/AR、SfM、ドローン等)が重要となっています。当社では、業務効率化を目指し、日々進化する3次元データの生成・活用技術に対する先行的な技術検証、および、点群データの共有・管理手法についての検証に取り組んでいます。

ビッグデータの利活用に向けた技術開発

データベースを活用したビッグデータ処理例
※1 雨量データ出典:国土交通省XRAIN
  地理院タイル(標準地図)を加工して作成

膨大なデータが生成・収集・蓄積される現代。建設コンサルタント業務においても、社会基盤に関わるビッグデータを、迅速に計算・処理することが望まれます。そのため、データベースを活用した並列演算による解析プログラムの高速化や、解析結果の可視化における時空間データのアニメーション表示、AI(機械学習)によるデータの分析や予測などの技術開発に取り組んでいます。

モバイルツールによる調査・点検業務の効率化

タブレットによるデータ入力・参照
※1 地理院タイル(写真)

防災点検や環境調査などの屋外調査において、スマートフォンやタブレットなどモバイル機器を活用した効率的な現地調査とGISを活用したデータ管理を行っています。具体的には、モバイル機器とGISプラットフォーム「DoconGIS」の連携による現地と事務所間のリアルタイムな情報共有、データ集計・解析作業の自動化など、業務プロセスの改善に取り組んでいます。本技術は、社会基盤の安全確保、環境保全等の支援ツールとして今後も活用を促進していきます。

研修プログラムの充実、技術者育成

VR・AR体験会(左)
Doconオンライン学習システム(右)

建設コンサルタント業務において、ICTを駆使した業務対応ができる技術者の育成は重要なテーマです。当社では、BIM/CIM・GISのハンズオン研修やPythonプログラミングなどを習得する情報技術研修の他、BIM/CIMやICTの最新動向、ドローンの安全運用に関する講習会、各種体験会などを定期開催し、ICTに関する技術の普及と技術者育成を行っています。これらの教育コンテンツは、当社のe-ラーニングシステム「Doconオンライン学習システム」に蓄積し、若手技術者の育成、技術継承に取り組んでいます。